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子ども部屋の考え方(仕切り方)

2021.02.18

10年先までが想像の限界らしい

家族のため、強いてはお子さんのために家づくりをされる方が多いと思うのですが、最近では建てる時期がぐっと早まっています。昔は入学に合うように、という方が断然多かったものですが、現在では第1子誕生をきっかけに家づくりを考える方が多くなっています。共働き夫婦が増えたことで、経済的にやって行ける、家賃を払うのももったいないし・・・というところでしょう。あと、金利の問題もあります。貯めてから建てるより、今!ということですね(笑)

そこで、若い夫婦は、お子さんとの暮らしを中心にせいぜい10年くらい先までの家づくりを想定して建てることになります。お子さんが個室を欲しがるようになる頃くらいまでは予測できますが、兄弟姉妹の仲や生まれてくるだろう子どもの性別までの予想は難しい。だからおすすめは、フリールームにしてざっくりと計画することです(出入口だけを2か所造っておくこともあります)。兄弟間で交流する場になります。お友だちを呼んで遊んだり、小さな社会勉強の場のはじまりです。子どもは成長の過程で必要なものがどんどん変わっていきます。その子自身の考え方もあるでしょう。家族が増える場合だってあります。最初から100%の家は造らない方が先々良さそうです。初期予算も削減できます。

こんなに広々。走り回れる2階のフリースペース

アイランドキッチンと芝生の家/浜松市東区神立町

兄弟の部屋(西側)。本棚の辺りが真ん中になります
兄弟の部屋(東側)

通り抜け土間のある家/浜松市東区有玉南町

成長過程で必要な時期が来たら仕切る

仕切り方には、まず「やんわり仕切る」と「きっちり仕切る」のふたつがあって、その違いは空間をつなげるか全くつなげないかということ。お子さんが同性の場合は一部でもつなげておいた方が、なんとなく親は安心します(密室になりませんからね)。しかし、異性の場合はきっちり仕切ってあげないと、成長するにつれ本人たちから苦情が出そうです。つまり、お子さんの希望も聞きながら検討した方がより良いだろうということです。やんわり仕切る具合も、そのやんわり度はその時のお子さんの様子を見てからしか判断できません。勉強スペースは共有にして広く使いたい、ベッドスペースだけは小さな個室に造りこむ等の魅力的な方法も、その時のお子さん同士の関係性により可能となります。関係性が良くないのに共有空間にされたらケンカが絶えないかもしれません。お子さんの気持ちはどうでしょうか?成長過程で適切な時期に適切にプライベートを守れるスペースを設けてあげましょう。

上部がつながっていると、空調を1台で共有できます

子ども室仕切り工事/浜松市西区神ヶ谷町

快適すぎる子ども室は考えもの

個室を与える多くの理由は、子どもの自立を促す、勉強するための環境を整えてあげたいという親心が大半でしょう。それは期間にして考えてみると、6~10年くらいのことです。高校生ともなると、塾の自習室や図書館等自宅以外の場所を集中するために好んで使うお子さんも多いので、子ども室をそこまで快適にする必要はない場合もあります。例えば、しっかりした個室をお子さまの人数分きちっと分け与えるために、家のその他スペースを圧迫するような間取りになるのはもったいないことですね。また、快適すぎると返ってお子さんがこもりがちになる可能性もあります。子ども室は最低限のスペースでも、みんなで過ごすリビングが広ければ、小さな家でも広がりを感じられるというものです。家族で過ごす、その時代の時間を長~くできたら幸せですね。

理想とする家族の過ごし方は、間取りを考えることで仕向ける(?)ことができますよ(笑)

仕切りを兼ねる収納

子ども室仕切り工事/磐田市

子ども室という名にとらわれすぎない方がいい

その後、お子さんが進学等などで家を出て行ったとしたら・・・その空間はどう使いましょうか?お子さんの使わない荷物置場のままではもったいないです。ぜひ、家に住んでいる家族のために有効な空間にしましょう。小刻みに仕切られた間取りが使いにくいと思ったら、仕切り壁を外して大きな空間に戻しましょう。

間取りプランの際には、あえて「子ども室」と明記せず「部屋1」とか「部屋2」とすることがあります。それは、「子ども室」と限定しないでどんな空間にでもなるよ!という意味を込めています。

考えてみると、子どもたちと過ごす年月よりも、夫婦だけで過ごす年月の方が人生では長い。巣立った後に都合が悪い家にならないように、ぜひ考えておきたいものです。それは、きっちりと造り込みすぎないことがヒント。その時にならないと最適は分からないからですね。

家を建ててから数十年、家族状況に合わせながら少しずつリフォームをしたとしても、大きくは変えなくて済む(大きな費用が掛からない)家。可変性のある間取りの家がお得ですね。そういう家が、いい家の条件でもあります。

因みに、「可変性のある間取り」 とは、家族構成やライフステージの変化によって、住まい方を変えることができる間取りのことです。建物はまだまだ長持ちするのに、間取りがライフスタイルに合わないからと建替えをすることは、できれば避けたいことです。

広報 すずき

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