築11年のK様邸。子供室が一部屋足りない事情から、老朽化したデッキの改修と共に「小屋」を建てたいというご希望。将来的に、「小屋」は他用途に使うことも考えているそう。工期1カ月。デッキづたいに母屋と行き来できる「小屋」が出来ました。
リフォーム内容≫旧デッキの解体・新設、小屋造り
木製デッキは腐る。でも、朽ちる素材を使いたい
「小屋」といっしょに検討したのが、造り直しの時期が来ていた11年目のデッキ。軒が無く天候の影響をもろに受けてしまう環境下、安全に使うためにはそろそろ限界が。全く無くしてしまうのは避けたいけれど、大きなデッキは手入れが大変。今回は縁側くらいに縮小することにしました。因みにデッキはBBQの際によく使用しているそう。
入政建築のデッキ施工の仕方も11年前とは少し変わってきています。その時代に最良と考えるやり方で進歩してきています。しかし木のデッキは永遠ではありません。雨や紫外線によってダメージを受けてしまうのは仕方のないこと。入政建築にできるのは、雨水の侵入や水切れを考えて少しでも長持ちするように工夫することです。それでも美しく保って使えるのはせいぜい10~15年くらい(環境による)。しかし人工デッキ材でもそれくらい経てば、古さを隠しきれないのではないでしょうか。木のデッキは本物素材の質感が最後まで残り、古びる過程(経年変化)がずっと美しいのが特長です。そういう経過の仕方を価値ありと思える方に向いています。
こちらは「小屋」を造る予定の西面デッキ。物干しスペースとして使用中です。このデッキを介して母屋の裏口から「小屋」へ繋がるように計画します。「小屋」はこの手前へ建ちます。
「小屋」というよりも一部屋増築?
母屋壁色に合わせてガルバリウムの色を選びました。断熱材も入って家と同じように自然素材で造っています。母屋の壁に関わらない工事が小屋の特徴ですが、一部屋増築に近いものがあります。母屋から数歩外にはで出るものの、屋根付きで雨降りでも問題はありません。庭から直接出入りできるところも大きな特徴です。書斎として使う等、家族と少し距離を置きたい場合に使い勝手がよい「小屋(2坪)」です。
「小屋」の床は唐松無垢。壁はオガファーザー+塗装。お子様のベットと机が入る予定です
母屋と「小屋」の間
母屋と小屋の間は屋根付きデッキになりました。天候が心配な時にも安心して洗濯物が干せます。夏は南北に風が抜けます。「小屋」の良さは一度外に出ることで気持ちを切り替えることができるところにあります。つまり、この空間が大事なのです。