〇豊橋の住まいから浜松へ
豊橋の住まいは、もともと父親が購入しようとしていた物件。それを私が途中で引き継いだ中古住宅でした。住み始める際にはリフォームも行いました。しかしそれから数年、家庭を持つ身になり少し考えが変わりました。というのも、そこは海抜2M。災害時の家族の安全面が心配になり、いずれは高いところに引っ越さなくてはと考えるようになりました。
その後豊橋の両親が亡くなり、住居を豊橋に限定する理由がなくなりました。それならば妻の実家である浜松の方がよいだろうと話し合いました。浜松には親戚が居て、私の職場も希望次第で浜松への転勤が可能とのことでした。一人娘の小学校入学に間に合うように家づくりに向かって動き始めました。2020年頃のことでした。
〇浜松での土地探し
豊橋に住みながら浜松の土地探しを行うのはっけっこう大変でした。ネットで探しながら浜松の地元不動産に通いましたが、そもそもネットは売れ残った情報とのこと。希望の物件はなかなか見つからず、土地探しは難航していました。そんなある日、「探しているのに土地がなかなか見つからない」と妻が実家でつぶやいたところ、気前のよい妻の姉が親戚の不動産屋を紹介してくれることになりました。妻の親戚に不動産屋が居ることを知っていましたが、離れた豊橋に居ることで、先方に任せっぱなしになってしまうからと遠慮していたのです。義姉の言葉に甘え、不動産屋と連絡がとれて間もなくのこと、佐鳴台のこの土地を紹介してくれました。古家付きの土地で解体が必要でした。でも西南の角地が気に入りました。あれほど探していたのに決まる時は早いものだと思いましたが、今度は大家さんに売る意思が無いとのことで数カ月待たされることに。しかしながら、結局は売っていただけるようになり私たちの土地となりました。土地はすんなりと決まらないことが多いらしいですね。贅沢を言えば少し広過ぎるのですが・・・ここなら津波は来ないでしょう。
〇見えてきた本当の希望に沿う建築依頼先
土地が見つかる前(2020~2021年)には、「地元の木・杉・ひのき」を使った木の家がいいかと数社の工務店を検討しました。しかし、重厚感がある立派な和風であったり、工務店側のこだわりが妙に強かったりして私たちに合うと思える工務店に出会うことができないでいました。
実は、私は建築確認の仕事に携わっています。毎日机上で数枚の図面をチェックするのですが、法規にのっとって正確に処理することに心血注いでいます。機械的に数をこなしているようなものです。自分の家を建てようとしてはじめて、この一枚一枚の図面への施主さんの思い入れというかそういうものを感じました。合う工務店を探し、希望の家づくりをするのは大仕事ですね。
入政建築との出会いは2021年8月、ホームページで見つけた完成見学会開催情報(浜松市中区富塚町)。その頃はというと、いろいろな家を見てまわったことで、夫婦そろっての好みや現実的なところがようやく見えてきた時期でした。見学した入政建築の家は、「木の家・シンプル・自然素材・動線」という私たち夫婦の希望を満たしていました。身の丈に合っていると感じられ、初めて自分たちが暮らす家をイメージすることができました。その後、モデルハウスSukura-3も見学させてもらいました。それから間もなくして佐鳴台の土地が入手でき、入政建築にお願いすることにしました。
〇自分たちらしい暮らし、具体的な希望
妻の一番の希望は小上がり和スペース。育った実家の環境からか畳や木が好きなのです。我が家の小上がりスペースはリビングのおまけで付いている感じで面白いです。床下には引き出し収納が付いていて、リビングの片付けに大活躍しそうです。最初はこちらを四角いりビングスペースの中に入れ込もうかと迷いましたが、ポコッと張り出す(出っ張る?)ことに。これには細かいところ(施主施工ワックス塗りや内装変更等)で予算調整を要しました(笑)
そして、自分たちが暮らしやすいように考えたのは洗面と脱衣機能を分けたこと。私と成長した娘の使用時間が重なっても、それぞれストレスなく使えるようにしました。次に、2階に洗濯機があるのが特徴かと思います。妻は外干し派だったのですが、昨今の空気汚染やアレルギー体質を考慮して夫婦で今後は中干しにしようと決めました。まずは天候や時間に左右されずに洗濯ができて便利になるでしょう。またここは南西の角部屋なので、将来的には違う用途の部屋として使うことも十分できます。入政建築の新野さんから、使い方を限定しなくてもいいですとアドバイスがあったので、この件(2階の洗濯ルーム)で悩むことはありませんでした。建築的には2階に洗濯ルームを造ったことで、その分の1階スペースを広めに確保できたという効果があります。その他予算的な工夫は、トイレを一つとしたために階段そばにトイレ位置を優先したことです。
〇キッチンを造るとは(奥様)
造作でキッチンの棚を造ってもらう際の注文の仕方に驚きました。「持っているお皿はこのくらいの奥行きで高さはこのくらい必要で・・・」と言ったら、ピッタリの棚ができていました。もっとざっくりとしたサイズ感だろうとイメージしていたので、手持ちの物に合わせて棚を造ってもらうとはこういうことなのだと知りました。また、L型キッチンにありがちなデッドスペースも、途中で反対側から使用できるようにスペースを生かしてもらいました。LD側を向いてシンクを使う配置ですが、LDの様子を見渡しつつ、料理中の雑多な手元はしっかりと隠してくれるキッチンです。そこに立つと料理に集中できるよう、高めに囲ってもらいました。コックピットのように。
〇最後に(奥様)
庭づくりは庭やさんと相談しながら決めました。祖父が朝から晩まで実家の庭の手入れをしていたのをよく覚えています。手入れ面には少々不安がありますが、私も自分の家の庭はこうしたい、こう育てたいという思いがあります。四季折々が楽しみになるような草花を植えてくださるとのこと。家族で芝生を植えて、菜園を作って・・・と庭で楽しむことがいろいろあります。
家は必要十分な広さ、庭をたっぷり楽しむ暮らしができそうです。娘の入学前の入居には少し間に合いませんでしたが、浜松に引っ越してきてことで、家が出来上がっていく様子を近くで見守ることができました。大工さんともお話ができて良かったです。娘は縁側ができるのを楽しみにしています。今年の夏が楽しみです。
END