暮らしをつくろう。大切な人との時間を大切に。
4代目の新野恵一(にいのけいいち)です。
本日は、「10歳になった木の家」体感見学会でした。
こちらのお宅です。
建築物は、時間と切り離せません。
入政建築では、時間とともに、古くなって、良さが増す素材を選んで家づくりをしています。
新品が一番!という考え方をしていません。
使っていくと、傷もつくし、汚れるし、経年変化も必ずします。
それを、よし!とする素材を選定しています。
そのあたりの考え方が、一般的な建築屋さんと違います。
一般的な建築屋さんは、
汚れにくい!経年変化が少ない!水に強い!を価値として、お客さまにお伝えしています。
わかりやすいし、伝えやすいですよね。
そして、世の中には、こんな建材が山ほどある。
「この材料は、水にも強いし、汚れても落としやすい!メンテナンスをしなくても問題ない材料ですよ!」
そんな建材の多くが、経年変化したときに、みすぼらしくなっていくものです。
僕たちのご案内は、こんな感じ。
「この材料は、傷もつくし、汚れもつきますが、比較的メンテナンスも容易(メンテナンスフリーとは言えません。)です。長く使って経年変化しても味がでる素材です。」
って、価値が伝わりづらいですよね。。
無垢でできたもの(木、金属)や、自然素材がそれにあたります。
今まで生きてきた中で、そんな素材ありました??多くあると思うんですが、見過ごしてきた方がほとんどだと思います。
この度、Nさんのご協力のもと、10年たった木の家を見せていただく機会をつくることができました。
入政建築で選定している材料が、どんな経年変化をしているのか。ほんとに味がでているのか?を確かめる見学会。
僕たち自身も確かめる絶好な機会になりました。
オリジナル左官壁の外壁は、経年変化はしていましたが、いい感じの味がでています。南側の太陽がよくあたる部分は、新築同様きれいに保たれていました。
*北側の外壁は、乾きにくいので、一部の外壁が黒ずんていましたが、性能上は何も問題ありません。
塗装をしていないので、再塗装の必要がなく、時間とともに美しく変化していく素材だと改めて実感しました。
黒ずんでいく様も、美しく思えます。
玄関戸や、2階の木塀は、5年目に一度再塗装をしています。
メンテナンスをしていくことで、美しさをキープすることができます。というか、さらに美しくなる気がします。
メンテナンスの痕跡が、美しくでてくるというのでしょうか。
新しさだけが、美しさではないこと。改めて知ることができました。
新築時に植えた植栽も、10年で大きくなって、素敵なアプローチをつくっていました。
デッキ材は、ウッドロングエコを塗布した、杉板のデッキ。
雨ざらし状態だと、10年でここまで劣化します。まだ2~3年は持ちそうです。
板の厚みは、40mm。なるべく厚い木を使用しています。
もっと厚い木であれば、もっとしいんですが、、
予算とのバランスを見て、このあたりで決めています。
ぼくたちの木製デッキの考え方
→10年~15年でやり替えをする。その10~15年で、その場所が有効に使えるかどうか。
デッキは、普遍的なものじゃない。木は腐るもの。腐る前提で考えます。
腐りづらい施工方法を目指して、日々努力しています。
写真のように、デッキ板を切りっぱなしの状態で完成させているのは、水切りのことを考えています。
表層は、ボロボロに感じますが、手触りは、まだしっかりしていました。おそらく木の内部は、こんな感じです。
厚いと、木の内部まで水が浸透しないので長持ちするのです。
内部は、ぬくもりあふれる、落ち着く佇まいでした。
住まい手のNさんのお友達がくると、「落ち着く~」って言われることがたくさんあるようです。
わかります!落ち着きます。
床や、構造材、建具など本物の木を使っているため、経年変化が美しいし、
床の傷や、汚れも味になっていて、無理がありません。
最後に、画像ではお伝えしきれない部分を!
いつも思うんですが、OBさんのお宅に伺うと、家の嫌な臭いがしません。
当たり前かと思うかもしれませんが、、、、
「友達の家の匂い」ってありませんでした?
あれって、おそらく建材の匂いだと思うんです。
建材の匂いをごまかそうと、芳香剤を多くおいてる家も多いですよね。(匂いのもとが建材であることに気づいていないケースも多いかと、、、)
新築の家、独特の匂い?も建材の匂いです。
内装が自然素材だと、建材から発せられる嫌な臭いがしません。
これは、体感してみないとわかりません。
匂いに敏感な方、建材の匂いを感じてみてください。
「この材料は、傷もつくし、汚れもつきますが、比較的メンテナンスも容易(メンテナンスフリーとは言えません。)です。長く使って経年変化しても味がでる素材です。」
をご体感いただいた、Mさん、Nさんありがとうございました!
素敵な家を見せていただいた、Nさん。貴重な機会をいただき、感謝いたします。