暮らしをつくろう。大切な人との時間を豊かに。
4代目の新野恵一(にいのけいいち)です。
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本日は、いりまさの家(新築住宅に限る)の温熱性能について。
お客さまから「HP上に数値が記載されていない。」とご指摘を受けたので、
(大変失礼しました。この時代に断熱性能の記載がないのもいかん!ですね)
作らなければ!
温熱に無頓着ではありませんので、ご安心ください♡
温熱性能とは、家の中の暑い寒いを無くし居住環境を整える性能のことを言います。
温熱性能を数値でわかりやすく提示している会社さん、多いですよね。
「UA値0.46W/m2K(HEAT20 G2レベル)」とか出ています。
(UA値は、熱損失の程度を表し、低い値ほど断熱性能が高いことを示します。)
数値がでているから、明確に比較しやすいです。
ではなぜ、その数値が必要なのか?明確に謳っている会社さんは少ないのではないでしょうか?
入政建築の温熱性能の考え方は、
「最低限の性能しながら、冬暖かく、夏涼しく、風が通って、明るい快適な室内にする」
この入政建築の最低限の仕様とはなにか?!
【最低限?】 というと、いちばん低い方の限界。最低の限度という意味ですが、ここで言うのは、あくまでも冬温かく、夏涼しく、風通し良く、明るい「快適な室内」とするための最低限です。
2024年現在、入政建築の最低限の基準は、UA値=0.56W/m2K(HEAT20 G1レベル)です。
ちなみに、われら浜松のUA値の最低基準(断熱等級4)は、0.87W/m2K。
長期優良住宅の基準は、0.6W/m2K。この値は、ZEH基準と一緒です。
(基準値は地域によって異なり、UA値は低いほど断熱性能が高い)
UA値や、HEAT20についてわかりやすいブログを発見しました。
→https://www.sou-sei.com/blog/heat20%E3%81%A8%E3%81%AF/#section3
(ぼくが書くよりわかりやすい。)
なぜ、0.56Wm2K?
それは、建築コストと性能バランス(エネルギー削減&光熱費)を重視しているからです。
0.56Wm2Kは、入政建築の標準仕様でクリアできる数値。
いりまさ標準仕様→屋根の断熱は、フェノバボード63mmを垂木間に入れています。
いりまさ標準仕様→外壁は、グラスウールを採用しています。
いりまさ標準仕様→(床断熱ではなく)基礎断熱を採用しています。
それ以上を目指すのであれば、今度はコストがかさんできます。
断熱等性能を上げるには高性能な断熱材や高精度な施工が必要となり、コストがかかります。
でも、断熱性能が上がると(UA値が小さくなると)、室内と外気の熱の出入りがしにくくなり、外気の温度が室内に伝わりにくくなります。エアコンを無駄なくより効率的に使えるようになります。
コストが上乗せされても、光熱費が節約できれば、回収できるんじゃないか。っていう議論になります。
なので、光熱費とエネルギー消費量を算定してみました。
算定は、エナジーZOOを用いています。(この計算プログラムは、かわいいんですよ。楽しく性能を検討できます。)
◆0.87Wm2K(静岡県の基準)→ 0.56Wm2K(いりまさ標準仕様)
光熱費 17280円/年 削減(一次エネルギー消費量6056MJ削減)
光熱費も消費エネルギーも、削減量が大きいですね。
◆0.56Wm2K→0.46Wm2K ≒~50万程度(いりまさ標準仕様より)
光熱費 10108円/年 削減(一次エネルギー消費量2603MJ削減)
→10108×50年≒505400円
50年目で、収支が逆転します。(いりまさ標準仕様より)
0.56→0.26 ≒+150万(いりまさ標準仕様より)
光熱費 23271円/年 削減(一次エネルギー消費量4391MJ削減)
→23271×65年≒1512615円
65年目で、収支が逆転します。(いりまさ標準仕様より)
削減幅をみると、0.56~0.46がコストバランスがよい。というか、効果的。
長年住む(65年以上)!と決めている方は、コストアップしても0.46~を目指したほうがいいかもしれませんね~
バランスが大切ですね。
浜松という地域で最適解は、0.46~0.56の範囲が妥当。
なので、最低限の数値を0.56と定めているのです。
(UA値は、建物の配置や形、建物の大きさによって、性能にばらつきが生じます。床面積は、一緒だけど、UA値が違うこともしばしばあります。 いりまさ標準仕様で、0.46に近くなることもあるし、逆もまたしかり)
*隙間相当面積のC値は、全棟検査をしていないので正確なデータを掲載することができていません。
現在工事中のSさんの家で、C値測定をしていく予定です。ここの実測が足りないのは、反省。。。
入政建築では、UA値のほかに、日射取得率(ηイータ)という基準も大切にしています。
この日射取得率というのが、難しい。
(この日射取得率は、パッシブデザインを語る上で非常に重要です!)
夏の日射取得率(ηAC・イータエーシー)は、低いほうが有利です。が、冬は、日射取得率(ηAH・イータエーエイチ)が高いほうが有利。
矛盾することを、両立させないといけないのです。
暮らし方の工夫では、
【夏】夏の日射取得率を下げるために、大きな窓の外側に簾をかけること。
【冬】太陽熱を室内に取り入れる「びおソーラー」を用いて、日射取得率をコントロールする必要があります(びおソーラーは、太陽光発電ではありません。建物の仕組みを利用して、暖房や涼風取入れ、住まいの換気を行う仕組みです)。
このη問題をどう解決していくか。
あーだ、こーだ社内で、検討を進めています。
結論がでたら、まとめていきます。もう少しお待ちください。
にしても、温熱環境は、日々進化していきます。
快適な住空間は高性能な設備だけで手に入れることはできません。パッシブデザインによって、太陽、光、風等を上手く取り入れ、建物躯体の断熱性能と冷暖房、換気、給湯、照明等すべてのバランス考慮していかなければいけないのです。
地球にも、建てる人にも優しい、「いいバランス」をこれからも重視していきます。