台風10号の影響で、大雨が連日続きますね。
大雨による被害がないことを祈ります。
台風が来る前までは、酷暑が続きました。
冷房が効かない!という方も多かったはず。。。
今回のブログは、
「冷房の使い方で、エアコン容量が大きく変わる」
というお話です。
暮らしをつくろう。大切な人との時間を豊かに。
4代目の新野恵一(にいのけいいち)です。
(*タグで絞り込み→「4代目」を選択すれば、ブログがのぞけます。)
先日、リフォームしたお宅でエアコンが効きにくいというご指摘いただきました。
12畳用のエアコンを12畳のリビングにつけたのですが、、、効かないと。。。
このお宅は、すべてを断熱改修したわけではなく、できる場所をできる範囲で断熱工事を行いました。
「エアコンの容量畳数は、木造無断熱の家に対しての畳数とほぼ同じ」
という建築の一般解を信じていました。
断熱工事をしたので、エアコン容量畳数は、実際の畳数で大丈夫と思っていたのですが、、、、
(うちの事務所も18畳の場所に、18畳用のエアコンをつけていますが、効かない!って思ったことはないなぁ・・・・)
リフォームした部屋の断熱・気密レベルで、エナジーZOOで、シミュレーションすると、
冷房の稼働時間によって、エアコン能力のバラつきがあることを確認しました。
24時間、冷房をつける→冷房最大能力2.4kW
7時~23時まで、冷房をつける→冷房最大能力2.4kW
7時~23時まで、冷房をつける。10時~19時に1時間程度、冷房を切る。→冷房最大能力3.4kW
7時~23時まで、冷房をつける。10時~19時に2時間程度、冷房を切る。→冷房最大能力4.0kW
7時~23時まで、冷房をつける。10時~19時に3時間程度、冷房を切る。→冷房最大能力5.2kW
12時~23時まで、冷房をつける。→冷房最大能力7.0kW
18時~23時まで、冷房をつける。→冷房最大能力10.0kW
23時~7時まで、冷房をつける。→冷房最大能力3.4kW
(数値の羅列・・・・)
日中エアコン稼働時間を増やせば増やすほど、必要な能力は少なくなります。
今回つけたのは、12畳用のエアコンの能力(三菱 霧ヶ峰)
冷房時の最大能力は、3.6(0.8~3.8)kW()内は最大能力。
7時~23時まで冷房を稼働していれば、12畳用のエアコンで問題ありませんでしたが、
実際の使い方は、午後から冷房を使っているようでした。
その場合の最大能力は、なんと!!7.0kW!!!!(23畳用程度の能力が必要・・・・)
この能力は、あまりにもオーバーすぎ、、、
エアコンの能力がオーバースペックだと、以下のデメリットが生じます。
1. 湿度のコントロールが不十分
エアコンは冷房中に空気中の湿気も取り除く役割がありますが、容量が大きいエアコンは短時間で設定温度に達するため、十分な時間をかけて湿度を下げることができません。これにより、室内が冷たくても湿度が高い状態となり、不快感を感じることがあります。
2. 消費電力の増加
頻繁なオン・オフはエアコンのコンプレッサーに負荷をかけ、消費電力が増加します。特にエアコンが起動する瞬間には大きな電力を必要とするため、短時間で何度もオン・オフを繰り返すと、結果的に無駄なエネルギーが消費されます。
3. 寿命の短縮
頻繁なオン・オフはエアコンの機器自体にも負担をかけるため、寿命が短くなる可能性があります。これにより、修理や交換の頻度が増え、長期的にはコストが増加する可能性があります。
エアコンは部屋のサイズや使用環境に合わせた適切な容量を選ぶことが、効率的で快適な冷暖房を行うために重要なのです。
ということで、ちょうどいいバランスは、どの大きさなのか。
18畳用のエアコンの能力(三菱 霧ヶ峰)
冷房時の最大能力は、5.6(0.8~5.8)kW()内は最大能力。
7時~23時まで、冷房をつける。10時~19時に3時間程度、冷房を切る。(*冷房を切る回数は、問いません。)
という新たな冷房の使い方をすれば、最大能力が5.2kWなので、18畳用でも十分な性能を担保できそうです。
今までの使い方を極力変えずに、冷房効率を高め、暖房機の効率も考慮する場合は、
18畳用がベストだと判断し、12畳用→18畳用にエアコンを付け替えることに。
*冷房だけでなく、暖房時の能力も12畳用では不足していました。
ちょうどいいバランスです♡
そうか、うちの事務所は7時45分~19時ごろまで、冷房をつけ続けているから、18畳用の能力でも問題ないのか~
使い方によって、エアコン容量は、大きく変わることを学びました。
使い方を見直し極力小さなエネルギーのエアコンを選定する場合もあるし、使い方を変えたくない場合は、大きなエアコンを選択する場合もあります。
エアコン能力は、冷房の稼働時間によって、能力選定したほうが賢明です。
この失敗を糧に、
建物の断熱性能、冷房の使い方、暖房の最大能力から、最適なエアコン能力のご提案をしていきます。