子供たち独立後、築40年の家で老後を過ごすことに。
40年間平屋のままで増築されることもなかったお住まい。お子さまを育て上げた夫婦の歴史がつまる小さな平屋のリフォームです。子世帯へ同居することも検討されたそうですが、夫婦だけでこのまま静かに暮らすことを選択されたため、水廻りを中心に部分リフォームをさせていただきました。
リフォーム内容≫トイレ・浴室・洗面所・キッチン・床貼り替え・内装・外壁・窓
水廻りが集中する南側をリフォーム
玄関を含む、水廻りが集中する南部分をリフォームしました。一日に何度も使うトイレ、浴室、キッチンがあります。これらが快適になることは、部分リフォームでありながらも満足度の高いリフォーム結果となります。
DKが6畳の広さで手狭に感じましたので、窓を35㎝出して「出窓」にしました。リフォーム現場ではこういったちょっとしたことが暮らしの快適さにつながります。
老後に備えて、暮らしを見直し
お子さまの成長と共に暮らしにくかった時期もあったかもしれませんが、今となってはまた夫婦二人にちょうど良い広さ。しかし、汲み取り式簡易トイレやタイルの浴室は高齢者向けではありません。老後の暮らしを快適にするためには水廻りのリフォームが不可欠でした。
最新の設備機器に入替えをし、外壁・内装のリフォームを行いました(暮らしながらのリフォーム・工事期間は2カ月です)。
寒い汲み取り式タイルトイレからの脱!
壁は温かみのある珪藻土、床は唐松無垢フローリング。サイドの壁付け棚は手すり代わりにもなります。必要に応じて縦型手すりも取り付けることができます。
寒い浴室とはさようなら
浴室は使用頻度が高く湿気が多い場所。そのため傷みも早いのが特徴です。設備機器の耐久年数も考慮して15年~がリフォーム時期と言えるでしょう。在来工法の浴室は工期がかかるため、リフォームの場合は短日程で入れ替えができるユニットバスへの入替えがほとんど。年々、進化するシステムバス選びも楽しめるでしょう。
リフォームを機会に洗面所の断捨離
物が多いながらもきちんと整理されていた以前の洗面所。使い勝手が良いように工夫もされていましたが、雑然とした印象でした。
洗面所のように小さなスペースに必要なのは、隠す収納。収納付きの規制洗面台を入れ、洗濯機周りには最低限必要な洗剤を置ける棚を設けました。もともと機能していなかった開けない窓は、他との絡みでやめることにしました。
明るいキッチンとダイニングへ
既成キッチンを入替え内装をリフォーム。夫婦だけのキッチンは以前より少し小さくなりましたが、調理中にキッチンの隅々まで目が届くI型です。
ダイニングテーブルを南の出窓に寄せたことで、明るく落ち着いて食事ができるスペースになりました。窓も大きくなり気持ちそさそうです。壁付けのテレビは方向を変えることができるので、調理中もテーブルに座っている時でも見ることができます。今後はこのキッチンで多くの時間を過ごすことになるでしょうとのこと。
キッチン家電置き場兼食器棚の造作
造作家具は作業場で箱型に造り、現場へ運び込んで組み立てます。これに引き出しや扉が付いて完成です。家具はオープンに造るほど安価にできます。カフェカーテンや無印BOXなど工夫して使うのもあり。初めから収納するものに合わせることができ、自由度の高い家具を造ることができます。
住みながらのリフォームについて。
住みながらのリフォームは様々な負担が大きくなりますので、実は敢えておすすめはしていません。しかし、高齢の方には仮住まいへの引っ越しの方がかえって負担になってしまうケースもあります。
住みながらのリフォームには、今までのように暮らしスペースが使えなくなること、騒音とホコリに加え、冬場のリフォームでは隙間風が入って寒さが厳しくなる等の問題点が挙げられます。希望する場合は、季節を考慮して時期を選んでいただけるとよいと思います。
住みながらのリフォームで工務店にとって大切なことは、工期を厳守すること。人の出入りがある落ち着かない日々が、予想以上に続いてしまう(工期が予定より遅れてしまう)と、お客様のストレスになると知っているからです。想定外の様々なことが起こりやすいリフォーム現場で、それらを対処しながら現場を守ることに入政建築は力を尽くします。
×住みながらリフォームのデメリット
●毎日人の出入りがあって落ち着かない(外出もしにくい)
●工事の騒音
●埃やプライバシーの理由から洗濯物が干しにくい
●仮設のキッチンやトイレ、お風呂が不便
〇住みながらリフォームのメリット
● 監督や職人さんと相談しながら工事を進められる
●毎日、工事の進み具合を確認できる
●仮住まいのための家賃や引っ越し費用が節約できる