廊下といえば、家の中の部屋と部屋を結ぶ道路の役割。廊下が長いことがステイタスだった時代もありましたが、最近では反対にスペースを無駄なく活用するために、廊下がほとんどないプランを望む方が多くなってきています。
しかしながら、良い動線が生まれて暮らしに余裕が出てくる場合なら、廊下もあり!だと思います。それは大きな廊下収納がある廊下。廊下に造る大容量収納スペースは、生活動線の中にうまく組み込むとたいへん便利に使えます。
パントリー的な使い方に向いている廊下収納
洗面所やリビングダイニングに近い廊下収納なら、ティッシュやゴミ袋、洗剤などのストック用にいかがでしょうか。掃除用具収納にもよさそう。これなら「パントリー」や「納戸」が無い家でも片付きます。洗面所を収納のために広く計画しなくていい可能性もあります。さっと開けて在庫確認をしやすければ、買いすぎが防げます。出し入れしやすいということは片付けやすいということでもあります。
〇メーターモジュールで家を計画すれば、廊下が広めになります。
裏動線に家事室と廊下収納の組み合わせ
リビングの裏廊下に便利な機能を集合させました。パソコンをしたり、ミシンをかけたりする家事室の役割を担う廊下です。収納棚は壁一面収納にしてすっきりさせています。こちらは、リビングで使う小物収納とキッチンが近いため食品庫としての機能も兼ねているそうです。
手前がキッチンで奥がバスルーム。家事動線の中に収納を組み込むと、家事効率がぐっと上がると言われています。家事動線、たかが一歩されど一歩です。
リビング裏には家族共有の廊下収納が便利
こちらもリビング裏収納です。周りをぐるりと回遊できる廊下収納。バスルーム、洗面所、トイレへ行く動線上にあります。いつも通る、何回も通る所に収納があると使いやすい。玄関にコート掛けがない場合、冬場のコートや上着掛けとして使用してもよさそうな位置の収納となっています。
裏動線の廊下をウォークインクローゼットに仕立てる!
長年の暮らし方、習慣を変えるのは大きなチャレンジ。新築時なら、思い切って廊下をウォークインクローゼットにするのもありです。クローゼットを洗濯動線に入れてしまいます。家族全員分の衣類をひとまとめに収納します。洗って、干して、たたんで収納するまでがこの廊下で完結します。奥には物干しデッキ、洗面脱衣室に洗濯機があります。ウォークインクローゼットのある廊下と洗面脱衣室は、引き込み戸1枚でつながっています。クローゼットの建具は吊り戸式。戸を閉めてしまえば、ゲストも通れるすっきりとした廊下になります。
廊下収納は収納スペースを節約できる可能性あり。
廊下収納は、家のどこに配置するかでその用途が決まります。玄関近くに配置すれば玄関クロークの代わりになり、キッチン近くに配置すれば食品庫に。リビング近くなら小物収納や納戸の代わりにという具合です。改めて一部屋を収納に充てるよりもスペースが節約できそうです。そして、暮らしの動線上にある廊下ならば常に家族が行き来しますので、誰でも便利に活用できます。
収納がたくさんあると安心する女性が未だ多いようですが、収納は量ばかりあっても、使いにくければあまり意味がありません。大きな納戸を造ってみても、中をどう使うかという問題にはけっこうな労力を要します。
暮らしの動線上でモノの収納場所を考えると、廊下は収納場所に最適だと思います。モノの保管場所を家族の誰もが知っているということも大事なこと。家族のあれはどこ?これはどこ?から解放される収納の仕方ができたらいいですね。
広報 すずき