外からの視線が気になる問題
外を歩いていると、カーテンが閉まっている家がひじょうに多いと感じます。厚いカーテンではないまでも、在宅なのか不在なのか分からないようなレースのカーテンがきっちりと窓にかかっています。
レースのカーテンを全開にすると、外からの視線が気になることはありますが、庭の緑やお隣りの緑等、外の景色が家の中から見た一部となって開放感を感じることができます(窓を超えて視線が抜けると言います)。もちろん、外からの光が室内へ入って明るくなるのが一番良いことですね。
内と外を分断するレースのカーテン
とはいえ、カーテン無しで外から家の中での暮らしぶりが丸見えというのは落ち着きません。気軽にごろんとくつろぐこともできないし、部屋着に気をつかったり、着替えも気軽にできない。女性には面倒なこともあります。レースのカーテンを窓にするのは、まさしく室内目隠しという理由がほとんどです。または日除け対策という理由。これが家の中と外(庭)を分断してしまう現況なのです。
しかし、外からの視線問題の方さえ解決すれば、レースのカーテンは多くの方が不要になるでしょう。内と外の景色がつながる時間が増え、敷地全体を有効に使える暮らしができるようになります。素敵な庭があるのに、家の中から眺められないのはもったいないです。庭づくりは外からの見た目よりも、家の中に暮らしている人のためにあるということに気づいていない方が多いような気がします。
塀や緑、外構の工夫をしてカーテンを全開できる家に
目隠しのための塀や植樹などを計画して、通りやお隣りからの視線をやんわりと遮る工夫をしてみませんか?具体的には、外からの視線は遮れて家の中からは圧迫感が無いくらいの高さの塀等です。建物と道路の間にデッキを施し、植樹もして「中間領域」を造り出します。敷地に余裕がないと難しいので、家づくり計画の際にいっしょに計画します。最初の建物配置が重要なのです。
窓から緑が見えたら、窓を開けてみましょう、そこから外へと関心が流れていきます。
(日除け、断熱については、窓の外で遮断するのが効果的。よしずやシェード等がおすすめです)
入政建築の住まいづくりでは、日中カーテンなしで開放的に生活できる=心地よい暮らしができることを考えています。家の計画と共に外構計画を行っているのはこういう理由からです。縁やバルコニーは、家の内と外を繋げてくれる大切な装置。家の中だけで素敵な暮らしは完結できないと考えています。敷地全体を計画すると良い家になりますよ。
広報 すずき