使いやすい家事動線や収納スペースをぎゅっと備えました。日中、家にいる家族が四季を通して「暮らしやすい」と感じるような間取りを理想としました。2人暮らし、3人暮らしの家族にちょうどいい広さです。
LDKは屋根なりの勾配天井
敷地が広いN様邸のリビング。一日中明るい間取りがよいと思いました。在宅されるお母様にとって明るさや日当たりは重要なこと。吹抜けには2階と繋がる障子窓から東の陽が射し、南、西へと太陽光を感じることができます。
物見台は後付けで
屋根上に載った物見台が完成間際に出現しました。建物の外観雰囲気を壊さないベランダです(屋根に直接布団を干すのはいやですよね)。安全面から低めの柵を取り付けることもありますが、小さなお子さまが居なければこのままでも十分。戸を開けてこんなおまけスペースが合ったらうれしいです。屋根面の計画によりますが、予算もやさしめなのが良いところです。
使いやすいI型キッチンがまた人気に
子育て世代に人気の対面式キッチンに比べ、年配の方に根強い人気なのがI型キッチン。壁に向かうことで料理に集中出来たり、手前に窓が取れるという利点があります。日中の料理には自然光で十分ですし、調理のにおい対策にも窓は◎です。窓を付けることを最優先すればI型キッチンという選択が多くなります。窓から西日が入る場合は、日差しを調整できるカフェカーテンなどで工夫してみてください。
廊下収納は誰もが認識しやすい収納場所
廊下は、家族が日常よく通る場所です。誰もが収納場所を認識しやすく使いやすいのが、わざわざ行かなくてもいい廊下収納です。通り抜けることができるのでどちらの方向からも使うことができます。オープン収納であれば、知らないうちに目に入って収納居場所を認識できるモノもあるでしょう。整理収納では家族の誰もが収納場所を知るということを大事にします。防災用品の例で言えば、納戸の奥に仕舞いこんだリュックの存在や中身はお母さんしか知らないかもしれないということ。リュックが廊下収納にあっていつも目にしていれば、地震時に留守番のお子さんでも持ち出せるかもしれません。リュックの置き場所は、玄関付近やよく人が居るリビング、寝室、また万が一のために分散収納が良いなどと様々言われていますが、まずは家族の誰もがリュックの置き場所を知っていることが何よりも大切ではないでしょうか。
主婦の手間がかからないという観点で言えば、整理収納が出来ている家は家事が楽になる傾向にあります。
洗濯動線がいい家は良い家
反対を言えば、洗濯動線がすごく悪いと家事が重労働になります。濡れた洗濯物は重いし、洗濯機と物干し場を行き来するとすれば短い動線に越したことはないです。主婦には見えない家事が多いので、例えちょっとしたことでも日々のことはたまりたまると大きな負担になります。同じやるなら負担を少なくしたい、これは手抜きとはまったく逆の発想です。洗濯動線は素人さんにも見えやすい動線。洗う、干す、寄せるてたたむ、収納するがそれぞれ数歩移動で可能に。外干し派の方には、天気を問わない屋根付き洗濯デッキもおすすめです。(適切な干す場と何時でも洗濯ができる環境でストレス軽減、家事楽につながります)。最近では室内干し派でサンルームを希望する方も増えています。
家事が楽(らく)に出きる家事動線
ライフスタイルがそれぞれ違うように、キッチンレイアウトや家事動線も使いやすいと感じるものは人それぞれ。ですが、まずは近くに配置することが基本。こちらのキッチンは、洗面所と浴室に近いため、料理をしながら他の家事が同時に楽(らく)にできます。2つ以上同時に家事を行う際には行ったり来たりすることが多くなるため、家事動線の良さをより実感できます。朝食の支度をしながら、洗濯物を干したりお風呂を掃除したり・・・1歩でも少なくし、それらがぎゅっと近接している間取りは家事が楽(らく)になります。また、回遊動線にすると良くなるということも言わています。
小さくても仕切ろう、玄関ホール
玄関ホールとLDKの間には1枚の建具を必ず入れています。玄関ドアからの暑さ、寒さの侵入を防いでくれます。ポリカーボネートの軽い吊り戸を造作しています。断熱層もあって光を通すものです。
玄関ホールは小さな空間ですが、十分な収納と窓からの明るさと風通し、ちょっと飾る場所が備わっています。土間たたき部分には最低限の靴を置くだけとしておくと、どんな時もすっきり!掃除も楽な玄関になります。いつのまにかどうしてもモノがあふれやすいのが玄関ですが、家の顏になる玄関は最初の決めごとが肝心です。