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広沢の家/浜松市中央区広沢T様・お客様の声 

2020.07.23

①わたしたちのこと

ここ浜松で土地探しを始めたのは、主人の仕事の都合で赴任していたイギリスから帰国後のことでした。帰国したのは2014年でしたので、もう4年前の話です。

向こうでの暮らしは3年余り。影響を受けたことのひとつに、豊かな「窓」の存在があります。当時はアパートの7階に住んでいて、窓からロンドンが一望できました。あちらではカーテンを閉めない家が多いのですが、窓から見えるレンガの建物や木々、空の青が実に美しく(夜には蛍光灯ではない暖かな室内の光と、空の青(ロンドンブルー)のコントラストが抜群!気がつけば私たちもカーテンを開け放ったままの生活でした。

あちらの窓は、日本に比べて決して大きい窓ではありませんが、風景を切り取る額縁になったり、窓枠に厚みがあるためベンチになったり、飾り棚になったり(日本で言う「出窓」のように)、そこに木漏れ日が落ちたり…さまざまな表情を見せてくれる装置でした。窓は一例ですが、日本に帰ってもそういった豊かな暮らし方をしていきたいという思いはあったと思います。

②土地探し

見晴らしの良い家は、もともとの好みでした。好んで傾斜地を探し、思えば3年間くらいはずっと探していました。でも本当に一生懸命探したのは、最後の一年くらい。この辺(蜆塚、鴨江、広沢)に住みたかったので、休日時間を見つけては、自転車に乗って空いている土地はないか?と探しまわっていたものです。見付けたきっかけは、住んでいた近所に売地が出たことでした。でもそこではないんですよ。そこは希望の土地条件とは違っていたのですが、この辺で傾斜地を探していることを、そこの土地を扱っていた不動産屋へ話したのです。そして運よく売りに出る前の現在の土地と出会えたのです。

そこは道路から一段低くなっている土地。でも、反対側2メートルほど下には緑いっぱいの美しい遊歩道が通っていました。近隣のお住まいも素敵で、こんな土地はもう出ないと思いました。43坪と小さめでしたが、擁壁を造る等家の下部分に相当金額がかかることは素人目にも分かりました。が、この環境が気に入ってしまいました。この遊歩道が軽便鉄道の線路跡地だということが、主人の心もくすぐったようです(密かな鉄道オタク)。大きな通りから程よく離れていて、閑静なところ。子供を育てるにも良好。日中は散歩する人がチラホラ。ここを契約するのに時間はかかりませんでした。

建てる前の土地

③工務店探し

土地を購入してから、自分たちでスケッチを少しずつ描き進めていたので、それを建築士の友人(神奈川県のアトリエスプリング一級建築士事務所)に図面にしてもらうことにしました。出来上がった図面は、知人に紹介してもらった工務店数社に相見積りをとりましたが、すべて大幅予算オーバー。それからがつらく難航しました。分かってはいましたが、壁や家の下の見えないところに金額がかかってしまうので、上ものの予算が厳しかったためです。予算削減のために、建築士の友人に数回にわたり図面を書き替えてもらいました。そのような中で、図面は徐々にシンプルになって行き、このスキップフロアが消えた図面さえありました。

この一癖ある土地で、私たちの希望の家を現実のものにしてくれる工務店を探さなければ!と週末のたび完成見学会等へ出かけ、10社以上検討しました。

しかし自分たちの考えに合うところにはなかなか出会えませんでした。「構造はこれでなければ」とか、「断熱材はなんとかかんとか・・・」。そういう会社側の家づくりのポリシーや個性の強さ、押しの強さが合わなかったのです。

④入政さんとの出会い

そんな中、2014年6月 入政さんの完成見学会へ初めて出かけました。私たちが、これだ・・・と思ったところは、ものづくりに対する考え方、こだわる部分と潔くそぎおとす部分のバランスがとても共感できたことです。見学したのは、私たちのプランとは規模も様式も違う純和風の大きなお住まいでした。

でも、この工務店さんなら小さなシンプルな家も、同じようにセンスよく豊かに造れると主人も私も直感しました。入政さんの標準スタイルは、珪藻土や漆喰、造り付けの家具や建具など。私たちの予算に見合わない仕様でしたが、逆に、もしも家造りをお願いするができたら…私たちの難題にどう答えてくるのかきっと思いもよらないそぎ落とし方で、センスの良い面白い答えを見せてくれるに違いない、と分不相応とわかりながらもワクワクしていました。

⑤家づくりのはじまり

2014年秋、思い切って厳しい予算状況を伝え、入政さんでなんとか建ててもらえないかと相談をしました。無茶な相談、かもしれませんが聞かずにあきらめては後悔すると思ったのです。

社長は、私たちの思いに耳をかたむけて、施工費削減のための提案をいくつかあげてくださいました。私たちはそれを設計士へフィードバックし、何回か図面を書き替えてもらいながら、予算内におさまるようやりとりを続けました。密かに予算削減のための「あきらめリスト」も作成し、覚悟を決めて挑みました。

施主と工務店、施主と設計事務所という関係のあり方では、橋渡しがスムーズに行くように心掛けました。何かトラブルがあっては頑張ってくれている入政さんに申し訳ないですし、私たち夫婦もちゃんと自分たちの家づくりに関わりたかったのです。

⑥ミラクル!

今こうして出来上がり、「あきらめリスト」を見返すと、何もあきらめていないことに気付きました。

ロフトもベランダも無垢の床もちゃんと有ります!主人の「バイク庫」も、社長の「やっぱりあったほうが良いですよね」のひとことに救われ、立派に構えています。これは本当に、ミラクルです(笑)

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