WORKS 施工実績

継承される日本庭園と新しい焼杉の家/浜松市中央区大久保町

先代が大切にしてきた庭を守ることを第一にして建替えた母屋。一番眺めの良いところにリビングを配置しました。外壁の黒い焼杉が新緑に栄え、昔からあったかのような佇まいを見せています。

敷地内に建つ御蔵や茶室、長屋の雰囲気を壊さないよう、和風大屋根のお住まいとしました。玄関戸にアクセントになる赤茶を塗装し、モダンな雰囲気をプラスしています。

平屋のように見える大屋根に木陰が落ちます
春でも赤いモミジは新緑に入ると不思議な風景
新しく前庭を造りました
軒の向こうに見えるのは昔からある長屋
新築母屋と改修した離れの間を良い風が通り抜けます
手すりは手で触れる部分を木で造作

関連ブログ:浜松で焼杉の家を建てるには?@いりまさ

玄関ホールには風通し窓と小さな飾り棚を
開放的な勾配天井のLDK
階段下もキッチンスペースとして有効利用できそう
離れへの出入りも考慮して窓を配置
角から見える風景に合わせてリビングを配置しました
2階大屋根のてっぺんは明るいフリースペース
2階に設けた北バルコニーは眺望が良い。地元の花火が良く見える
裏には屋根付きのサービスヤード。雨が当たらないのでデッキも長持ち

設計より

W様とは共に先代からのお付き合いで、これまで何度となくお住まいやお蔵の補修等をさせていただき、かれこれ60年ほどのお付き合いになります。そのようなわけで、850坪に及ぶ広大な敷地の様子は熟知しているといっても過言ではありません。 

先代は古い建物や庭園をとても大事にされている方でしたので、今回(代替わり後)の母屋の建替えにあたり、全体の景観を守りながら既存の庭を取り込むことを一番に考えて計画させていただきました。同時に、今まで母屋とつながっていたゲストハウス部分を離れとして独立させる改築工事も行わせていただきました。 

新しい母屋は、建物の高さを低く抑え、まるで昔からそこにあったかのように建っています。主張しない大屋根のシンプルなデザインと外壁に使用した焼杉の黒は、緑の中で和の落ち着いた雰囲気を醸し出しています。メンテナンス性の良い外壁の焼杉はこの先何十年も建物をしっかりと守ってくれることでしょう。

 間取りの方はいたってシンプルですが、住まいの中心となるLDKに個室から家族が集まってくるイメージです。吹抜け・勾配天井のリビングは、庭を眺めるためにベストな位置に配置し、家族が心地よく過ごせて、楽しく料理ができる空間になるでしょう。家事動線の要となる水回りはそれぞれ十分な広さをとり、無駄のない動線としたつもりです。 

北側に配置された3m×5mのバルコニーは大久保の谷間が望める景観のよい場所です。夏には町内の花火を間近に見ることができます。このバルコニーの下は、サービスヤードです。デッキ付きで雨に濡れない便利な空間です。BBQパーティーにも最適です。

最後に、この新しい母屋が年月を重ねていく中で敷地内の他5つの建物とも調和し馴染み、大切に住み継いでいただけることを期待します。

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